ディールのまにまに

1日1つだけうまくなる。テキサスホールデムポーカーに関する事項を書いていきます。Twitter @PariColle_Poker

ブラインドスティール

Pooh-Bah Redux: Blind Stealing

 2+2フォーラムよりスティールの記事のメモ
 文中のアンダーバーの文章は少しわかりにくいと思う部分に注書きを足してみました。
 
1  自分がどう見られているか、ターゲットはどのようなプレイスタイルか
スティールはフォールドエクイティに依存している。
スティールをしようと思う平均的なハンドより弱いものの時に、
スティールをする確率を上げるべきである。
つまり、 スティールはショウダウンは関係ない。
通常のフルリングと比べて、 残りが2~3人であれば、後ろにいいハンドがある確率は減る。

◆左記のハンドを持っていない確率
2人(BU) 3人(CO)
①JJ+、AK 94.1
% 91.3%
②TT+、AK、AQ 90.8
% 86.6%
③99+、AK、AQ、KQ 87.8
% 82.3%
④88+、AJ+、KQ 84.6
% 77.9%

⑤22+、T以上2枚 67.4
% 55.3%
⑥A1枚、スーテッド、
22+ 、T以上2枚 29.5% 16.0%

※この確率について記載はなかったが、例えば①の場合、このコンボは40コンボあり、
全体1326コンボで割ると3.01%で、SB・BBのどちらも持っていない場合にスティールが成功するので、
100-3.01=96.98・・%の2乗でどちらも持っていない確率が94.1%となると予想される。

ブラインドがルーズでレンジが広いほど、スティールは失敗する。
4BBでスティールすると、1.5BBをとれるため、オッズ1:0.375のため、27.3%で取れればイーブンである。
つまり、ブラインドが72.7%でフォールしてくれればよい。
④以上のレンジのみでしかプレイしないのであれば、カットオフかボタンから積極的にスティールすべきである。
もちろん、自分のテーブルイメージと、相手のプレイスタイルを注意深く観察すべきである。

2 アグレッションを高く
コールされた場合は、悲劇でなく、好機である。
ほとんどの場合は、一定のアグレッションを保っていればスティールは成功する。
通常、コールされた時点で劣勢であり、ハンドが絡むのは3回に1回である。
ただ下記の確率によると、状況はそんなに悪くない。

◆自分のハンドが22の場合に、フロップでまだ勝っている確率  

JJ+、AK 73.0%
TT+、AK、AQ 64.0%
99+、AK、AQ、KQ 59.4% 
88+、AJ+、KQ 56.7%
22+、T以上2枚 49.0% 
A1枚、スーテッド、22+ 、T以上2枚 40.1%

スティールのための最適なフロップベットはいくらか。
フロップがよくても悪くても同額のベットにしたい。
自分のハンドレンジをA2s+、22+、T以上2枚とすると、270コンボで20.4%となる。
このプリフロップ20.4%のレンジは、フロップで相手の22に47.6%で勝てる。
そうすると、ほぼポットサイズのCBを打っても問題ない。そしてコールされてもハンドが発展する可能性もある。

 しかし、もっとスティールの機会を増やしたい。私(記事の筆者)は、38.3%でスティールしている。
これは、A1枚、22+、K1枚、T以上2枚、87s+ のレンジである。
フロップで相手の22に42.8%で勝てる。
つまり、50%に近い勝率がないためポットサイズベットは適切でない。
ポットの2/3で必要な勝率が40%であるため、利益が出る。 

ブラインドがよりタイトなレンジの場合はフロップでのオッズが下がり、スティールの価値は低くなる。
しかし、プリフロップでコールした場合は、フロップでのベットの価値が上がる。
つまり、この時点で、プリフロップベットでフォールドさせるか、フロップでフォールドさせるかの2パターンがある。
以下は、自分がBBでコールが回ってきて、自分のベットはプリフロ4
bb、フロップベット7bbとする。

A プリフロップで全員フォールド(1.5bbの勝ち)
B コールにBBからベット4
bbで相手がコール、フロップCBで相手フォールド(5.5bbの勝ち
→当初のブラインド1.5bb + こちらへの4bbベットにコールした相手の4bb で5.5bb

レンジ① プリフロップ94.1%でフォールドし、フロップ27%(上記100%-73.0%)でフォールド
プリフロップで勝てばA+1.5bb、プリフロップコールされても(確率は100-94.1=5.9%)フロップで勝てば5.5
bb

EV = 0.941×1.5bb + (0.059×0.27)×5.5bb + (0.059×0.73)×▲11bb =+1.025bb

この▲11bbの根拠が不明。相手がプリフロコール、フロップでマッチした場合に既にポットに入っているのは
 8.5
bbであり、ここからフロップベット7bbで負けた場合は、合計15.5bb負ける気がするが、▲11bbとなっている。
 もしくは、5.5bbの2倍のため、とれるはずの利益+5.5bbと逸失損失▲5.5bbの合計として▲11bbなのか?
 しかしそうすると、前提条件でフロップベット額7bbをわざわざ記載している意味がない。
 わからないが、とりあえず▲11bbとして以下を記載してみる。
 PTBBをポーカートラッカービックベットとして、2ビックブラインドで計算しているがこれがおかしいか?
 というよりPTBBが使いやすい単位だとは思わないが、これを使うほうがビックブラインド換算するより
 有用な場合があったら知りたい。

  レンジ②
EV = 0.908×1.5bb + (0.092×0.36)×5.5bb + (0.092×0.64)×▲11bb =+0.896bb

レンジ⑤ EV = 0.674×1.5bb + (0.326×0.51)×5.5bb + (0.326×0.49)×▲11bb =+0.168bb 

レンジ⑥ EV = 0.295×1.5bb + (0.705×0.599)×5.5bb + (0.705×0.401)×▲11bb =▲0.345bb 

相手がフォールドしなくなるほど、 フォールドエクイティの観点からは利益がでない。
しかし、特筆すべき点は 2点ある。1つは、少なくとも22より強い手で毎回コールすることが前提である。
つまり、22を持っている状態で ボードAKQのCBにコールするということである。
さらに、フロップベットする時点で毎回負けることを前提(相手の手が絡む=こちらの負け) としている。
しかしこれは、事実とは乖離している。特にルーズな相手に対しては。
フロップCBにコールされた際に、少なくとも3回に1回勝てば
セーフベット?(よくわからない となり、EVはプラスになる。

スティールについていくつかのポイント提示しよう。

あなたが敵を恐れるより、あなたを恐れている。 相手がスティールに対抗してこなければ、フォールドエクイティは十分である。
無慈悲に利用しよう。ターンでスケアカードが落ちた場合に相手がチェックしたら、セカンドバレルを打とう。
ターンのエースもキングもフラッシュもストレートもペアボードもラグも相手にとってもスケアカードになる。

もし相手がアグレッシブなら、リスペクトしよう。スティールを降りても恥ずべきことではない。
フロップがA83レインボーの場合、相手がベットしてきたり、チェックレイズされた場合は、KQoもダウンすべきである。
実際、そうすべきである。ブラインドスティールは、 まさに小さなポットゲームである。
もしブラインドスティールでスタックをリスクにさらすなら、時間の無駄である。
同様に、ゴミ手でスティールをしようとしてリレイズされたらダウンしましょう。躊躇せずに今すぐに。
フロップを見に行くことはやめましょう。それは利益的ではない。

フリーカードをもらうことも重要である。これが強いのは、フロップで強いドローができる可能性があり、
相手は通常ターンでフリーカードをくれる。ドローがある場合は、素直にもらおう。
ただ毎回ではないほうがいい。Tc9cの時にQcJd4s4cならバレルを打ってもいい。
フラッシュドローもついたが、ペアボードは相手にもスケアである。
相手のフィアエクイティに基づいてもっと打つべきである。

失敗してもめげないこと。失敗すると自分がタイトにならなければならないと思いがちである。
しかし、タイトにならないほうがいい。相手は思うほど、アジャストしてくることはない。
打ち返してた時はAA持っていたかもしれないし、降りたあなたのハンドは相手にはわからない。
相手が92o出会った場合はすぐにフォールドしてくれるだろう。攻撃し続けよう。

自分のテーブルイメージをすること。相手もアジャストしてくる。
もしプリフロップとフロップベットで4回連続で低いハンドで勝っているなら、カットオフでの98sはフォールドしよう。
自分のイメージを理解しないとスティールをする機会を失うことになる。

スロープレイはしない。これは非常に重要である。
スティールはブラフに頼ることになり、それがモンスターハンドでもジャンクハンドも同様である。
もしAAでフロップA55の場合はフロップでスロープレイしたくなるが、ギアを変えてはいけない。
スティールをし続けていれば相手はQQでもコールしてくれる。そして次のA55ではリスペクトしてくれるだろう。
ビックハンドでのアグレッシブさは、このスティール戦略の重要な部分である。
ジャンクハンドでアグレッシブであるからこそ、ナッツハンドでペイオフしてもらえるのだ。