AoNLH Part 09 : Playing the Turn Out of Position
ターンのIPとOOPのプレイは認識しなければならない重要な違いがいくつかある
1つは、フロップでのアクションがターンの意思決定に与える影響である。
フロップで相手がベットをコールするためにどれだけ支払ったかにより、
ターンの自分のアクションの選択頻度が合理的に決まるからである。
さらに自分のレンジを踏まえて、特定のアクションが意味を成さないことを理解することが重要で、
それを知らない場合は、相手はこちらがアンバランスなレンジを持っていることを利用して利益をあげる。
ボードに多くのドローがあるが、自分のレンジに強いハンドが無いような特定のテクスチャーは、
OOPでのターンプレイを極めて難しくする
この場合、ポジションが極めて価値を持ち、対応が難しいサイズのベットをされることもある
ただし、正しい理論を理解していれば、ストレスを最小化し、勝率を最大化出来る
相手がフロート目的でフロップをコールする場合、相手のアクションの期待値を下げるには、チェックコールやチェックレイズが相手にチップを消費させるため有効である
◆OOPのターンでのドロープレイ
ドローハンドをチェックコールした場合、リバーでのアクションが難しくなる。
そのため、ベットしたいが、チェックレンジが弱すぎないようにレンジをバランスしたい
◆フロップベット→ターンベット
フロップコールされているため、こちらがポラライズレンジである。
相手は強いレンジを持ってレイズすることは考えにくいため、オーバーベットも考慮すべき
KhTh7c でCUオープンにBUコールされ、フロップベットにコールされ、
ターン5s の場合、AKかそれ以上のレンジでオーバーベット出来る。
これに合わせていくつかのブラフを入れる。
KhTh7c 5s のボードでJJでオーバーベットするのは意味がない
むしろTヒットや弱いドローにコールしてもらえるように小さくベットすべき
しかし、小さくベットするなら強いハンドをスモールベットレンジに入れるべき
Ts9sでMPオープンにBUコール
Th6h3c フロップで中程ベット→ターンで望ましいカードなら小さくベットする
大きいベットではこちらが勝っているブラフキャッチハンドがフォールドするからだ
上記ボードでオーバーベットするならQQなどが望ましい
ボードがドライならKs8s5d のベットがコールされ、ターン9sではオーバーベットは適切でない
こちらがストレートで相手がセットの場合、レイズを見込んでスモールベットすることはあり得る
理論的には、全てのテクスチャーで複数のベットサイズを使用したい
少なくともウェットなボードで相手がコールしてきたとき、ブランクのターンでオーバーベットするレンジを持っておいた方がいい
◆フロップベット→ターンチェックコール
チェックコールは相手のブラフを許すが、リバーで完成させられたり、スケアカードを利用してブラフされることもある。
一部のテクスチャーでは、チェックコールが他のアクションより非常にリスクがつくことがある。
フロップでは良かったがターンスケアカードが落ちた場合や、ツーオーバーなどのハンドでチェックコールすることは必要であるが、基本的にはコンデンストレンジになる
◆フロップベット→ターンチェックレイズ
ポラライズレンジで行う
ポジションがないため、IPより大きなレイズを行う。相手はポジションの優位性があるため、コールすることが期待されるため。
60%程度はバリューハンドがほしい
チェックレイズのIPとOOPの違い
- リバーをチェックしてもショーダウンに行けるかは保証されていない
- 理想的なベットサイズを見つけることが難しい。小さいと相手にいいオッズを与え、リバーをIPでプレイさせる機会を増やす。大きいと相手がレイズを返した場合、フォールドが難しくなる
ターンチェックレイズで相手がコールし、リバーオールインされた場合にオッズ的にコールする必要があるなら、ターンでオールインすべき
◆フロップチェックコール→ターンチェックコール
レンジの大半はコンデンストレンジである
ターンでバリューが守れるようなハンドは大半でもう一度チェックコールすべき
ドローでのターンOOPコールが難しいため、大半がミディアムメイドハンドになる
相手のベットサイズが大きければタイトに、小さければ広いレンジでコールする
◆フロップチェックコール→ターンチェックレイズ
ウェットなフロップでチェックコールし、ターンブランクで効果的なチェックレイズはない。
一方、ドライなフロップでチェックコールし、ターンがこちらのレンジを非常に強くする場合、チェックレイズレンジを持つことで相手の期待値を下げる
ウェット Td9d4s の場合ターンがダイヤ・Q・J・8でないとチェックレイズは難しい。強いハンドをスロープレイしないことと整合する
ドライ ターンはどんなカードでもチェックレイズ出来る。ドライボードのフロップでチェックコールすることは、チェックレイズよりも利益的であるため
◆フロップチェックコール→ドンクベット
フロップと異なり、ターンにおいてはベットし、コールされた場合、互いのレンジはより非対称的なものになる。
フロップでコンデンスレンジになっており、ターンでポラライズレンジに向けてベットをすることは通常チップを失うため、ターンのドンクベットはあまり効果のないものになる。
つまり、IPの相手は、弱いハンドはフォールド出来、強いハンドやいいブラフハンドでレイズ出来るため。
フロップでドンクベットができないことは非常に大きなリークであるが、ターンで一切ドンクベットしないことは、ターンドンクが有効な場面があまりないため、遥かに小さいリークである。
しかし、ターンがこちらのレンジを強くするような場合、ターンドンクは非常に強力なプレイになる。
BBでBUレイズをコール市、QhTc4s のフロップをコールした。ターンTh ならチェックコールレンジに相手のベットレンジよりTが多く含まれているため、ドンクベットを行う格好のスポットになる
相手はフロップでTがヒットしていた場合、チェックバックする可能性が高いからだ
そのため、相手よりチェックコールレンジにTがあり、トリップスを作っている可能性が高い
相手はQでは打たないだろうし、チェックレイズを受けたくないため、チェックしたいだろう。言い換えれば、トリップスで一切ドンクベットしない場合、こちらのチェックレンジが強くなりすぎる。そのため、強いハンドをドンクベットに回すインセンティブが生まれる。
イニシアチブとは関係なく、こちらのレンジに理想的なターンの場合はターンドンクすべき
◆Summary
OOPでも相手のポジションの優位性を最小化出来る
ベット・チェックコール・チェックレイズを適切な頻度でミックスすることが重要
特にターンでのチェックレイズは、フロップを高頻度でコールする相手に最も優れた戦略であり、
ターンがブランクの時、オーバーベットをすることがコンデンスレンジと戦う有効な戦略である
誰のレンジがポラライズされているか、自分はどの程度マージナルなのかを
把握しておくことが非常に重要
- ターンの各アクションの最適頻度を特定するのは難しいが、一部の頻度の組み合わせが明らかに間違いであることは示せる
- ターンでチェックコールやチェックレイズすることでベットするより厳しく弱いハンドを攻撃できる
- ターンのチェックコールレンジはフロップでベット・チェックコールといったアクションに関係なく、中程度の強さのレンジで構成すべき
- ドローをミスした場合リバーでブラフする余地がないため、OOPでドローをチェックコールするのは難しい
- フロップをチェックコールした場合、こちらはコンデンスレンジのため、大抵の場合ターンもチェックコールするべき
- ボードがウェットな場合、ターンでの理想的なチェックレイズサイズは存在しない。小さいチェックレイズはコールのオッズを与え、大きなチェックレイズはリレイズAIに対するフォールドが難しいためである
- フロップをチェックコールするとコンデンスレンジとなるため、ターンのドンクベットは通常あまり意味がない。ただし、ターンが相手のレンジより自分のレンジを強くする場合、ドンクベットも合理的となりうる
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